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訪問看護ステーション

可視化アプリ全体像2023/10/4 12:202024/3/12 9:16
 
 
訪問看護ステーションL社での支援例をご紹介します。
資本金は100万円で従業員数は5名、経営者は経営経験のない看護師の方でした。
開業して間もない時期でしたが、なかなか経営を軌道に乗せることができず、苦しい経営状態でした。
 
訪問看護ソフトを利用されており、利用者の状態や行ったサービスの内容、請求情報などを管理されていました。
訪問看護ソフトに売上を詳細に分析する機能がなかったため、訪問看護ソフトがもつ売上に関する情報から
経営判断に活かせる形で可視化できるWebアプリを作成しました。
 

1. 売上の分析

L社は売上の増加が課題であったため、まずは以下の通り、売上を構成する要素を細分化しました。
 
 
また、利用回数はさらに以下のように細分化できます。
 
 
従って、売上金額に関して以下の項目について、それぞれ実績を確認できるようにしました。
 
  • 利用者数
  • 平均利用回数
  • 平均利用単価
  • (利用回数)
 
またサービスの区分として「看護」と「リハビリ」があり、これらに関しても分けて検討する必要があると考えました。
それぞれの項目に対し現状を確認できるようにしました。
 

2. 予算の設定

 
これらのサービス区分、売上の構成要素に対して、予算を設定する必要があります。
中小零細企業は、予算を設定しそれを確実に達成していくという文化がない場合が多いです。
週、月単位で予実差を確認し、実績が不足していれば早く手を打つ。実績が上回っている場合も、その原因を分析し、さらなる増加のための施策を検討する。このようなことが必要になってきます。
そのために予算(点線)と実績(実践)をすべての項目で常に対比できるようにしています。
 

3. ABC分析

予算や戦略・戦術を検討するための情報としてABC分析も行い、可視化しました。
ABC分析とは、得意先や商品について売上や利益などを多い順にA・B・Cと3つのグループに分け、優先度を決める場合などに用いられる分析手法です。
 
訪問看護ステーションでは直接的な顧客は利用者でありBtoCのサービス業ですが、仕事の紹介元、つまり営業先は居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)・病院(医療ソーシャルワーカー)・クリニック(医師)などBtoBの要素が入ります。
現状そういった営業先のどこから売上金額や利用者の紹介数が多いのかをABC分析できるようにしました。
 
 
金額・数の大きい順にならべ全体の7割を占める紹介元をAランクとしました。
みてみると、売上金額におけるAランク数は8/40社で、そのうち3社で4割を占めています。
その3社への営業活動は現状維持とし、それ以外のAランク及びBランクのうち、A社から物理的に距離が近い紹介元を重点的に営業対象とすることとしました。
紹介元はその周辺に住む利用者を紹介してくれることが多いことが分かっていました。
L社にとって1日に多くの訪問数をこなすには、移動時間を減らす、つまりなるべく近い利用者を多く確保する必要があると考えたからです。
中小零細企業は経営資源が少ないため、データを分析し戦略を立て、効率的に営業活動を行う必要があります。
このようにデータをみながら経営者と共に戦略、施策を考え、支援を行いました。
2年間ほど支援させていただき、初年度は約1,000万円の赤字だった純利益が、2年後に約500万円の黒字まで回復することができました。
 

4.支援先企業の声

支援を通して、L社経営者からは以下のようなお言葉をいただきました。